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思考は「技術」だ。センスではなく、鍛えられる。
「総合的な探究の時間って、結局何をするの?」そんな疑問に答える鍵が、「考えるための技法」です。文部科学省の学習指導要領解説に明記された10の技法は、生徒が“深く考える力”を着実に育むための実践ツール。このブログでは、その全容を、教育現場・保護者・地域の皆様に向けてわかりやすく解説します。
「探究」で一番難しいのは“考える”こと
探究の授業で、
- 生徒が問いを持てない
- 情報を集めるだけで終わってしまう
- まとめが「感想」にとどまる
これらの原因の多くは「考え方の型」が身についていないことにあります。
思考力は“センス”ではなく“技術”である
文科省はこう言っています:
「思考力を育むには、明確な“考えるための技法”が必要である」
つまり、センスに頼らず、誰でも学べて、使えて、育てられる。それが「考えるための技法」です。
10の思考技法を1分で解説!
技法 | 内容 | 活用ヒント |
①順序付ける | 特定の条件で並べる | 「大切な順」「時系列」「影響力の強さ」などで整理 |
②比較する | 共通点と相違点を見る | 「違い」から本質が見える |
③分類する | 共通の視点でまとめる | 「テーマ別」「特徴別」に分類すると理解が深まる |
④関連付ける | 関係性を探る | 「原因と結果」「影響し合うもの」をつなげて考える |
⑤多面的・多角的に見る | 様々な視点で捉える | 「立場を変えて見る」ことが探究の原点 |
⑥理由付ける | 原因・根拠を明らかにする | 「なぜ?」を繰り返すと本質に近づく |
⑦見通す | 結果を予測する | 「これをやるとどうなるか?」の仮説思考 |
⑧具体化する | 分解・事例化する | 抽象概念を「具体例」に変えると理解が進む |
⑨抽象化する | 一般化・統合する | 具体的な話から「共通法則」を導く力 |
⑩構造化する | 考えを階層化・網状化する | 「マインドマップ」や「ロジックツリー」に最適 |
地域・保護者・生徒にとっての価値
- 教育現場
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- 思考活動を明確に指導できる
- 成果の「見える化」で評価も明確に
- 保護者
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- 家庭でも問いかけができる(例:「なぜそう思うの?」)
- 生徒
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- 自分の考えを自信を持って語れるようになる
- 総合型選抜のプレゼン・レポートで圧倒的差がつく
技法の導入で、探究が“学び”になる
総合的な探究の時間は、単なる調べ学習ではありません。技法を意識的に使うことで、学びが深まり、自ら問い、構造化し、表現できる「思考する人」が育ちます。
今、地域でできるアクション
- 🏫【学校】探究の時間に「技法ポスター」を掲示する
- 🏠【保護者】家庭でも「どんな視点で考えた?」と問いかける
- 🏙【地域団体】生徒のプレゼンに「どの技法を使ったか」をフィードバックする
参考資料
文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総合的な探究の時間編』p.95
『今、求められる力を高める総合的な探究の時間の展開』p.53
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