9月18日(木)、本校2学年の探究活動における「中間発表会」を実施しました。会場となった体育館には、地域の行政・金融機関・支援団体から多数の皆さまにご参加いただきました。
今回お越しいただいた支援団体・企業の皆さまは以下の通りです。
- 旭川市役所 平島淳嗣氏、木下哲夫氏、工藤優氏
- 日本政策金融公庫 門馬昌彦氏、鹿取大祐氏
- 旭川信用金庫 牛草博之氏、佐藤祐哉氏
- 信金中央金庫 宮川晧伎氏
- じもじょき旭川 高塚麻紀子氏、安岡理沙氏
- 旭川産業創造プラザ 松尾英将氏、上伊澤菜摘氏
- 株式会社旭川シティネットワーク 桑野紗耶加氏
生徒たちは、これまで数か月にわたり探究してきた研究テーマを、46グループに分かれて発表。自然科学から社会課題、そして地域を元気にするビジネスプランまで、多彩な視点とアイデアが披露されました。
参加いただいた皆さまからは、その場で率直なフィードバックや温かいご助言を頂戴し、次の研究ステップに向けた大きな学びとなりました。本稿では当日の様子をレポートいたします。

中間発表会の開催概要
参加団体と地域のつながり
今回の発表会には、旭川市内外の行政・金融機関・支援団体の方々が一堂に会しました。高校生の探究活動に地域の大人が加わることで、教育と社会との接点を強化する狙いがあります。支援団体の皆さまは、各テーブルを回りながら発表を聞き、生徒に直接フィードバックを届けてくださいました。
特に、金融機関の方々からは「将来を見据えた事業性の視点」、行政関係者からは「地域課題との接続性」といった具体的な助言が多く寄せられ、参加団体それぞれの強みが活かされた場となりました。
進行の流れ
当日は46グループが15のテーブルに分かれ、ローテーション形式で発表を実施しました。各発表は3分間で行い、支援団体からのフィードバックを交えて双方向のコミュニケーションが展開されました。
生徒にとっては「ただ発表を終える」場ではなく、「社会の視点で研究を問い直す」貴重な機会となりました。また、聞き手にとっても、高校生の斬新な発想に触れ、自身の業務や地域連携に活かせるヒントを得る時間となったようです。


高校生に質問をする旭川市役所地域活動推進課の平島淳嗣氏(左)と工藤優氏(右)
発表テーマの紹介
自然科学系の取り組み
自然科学の視点から課題に挑んだグループも多く見られました。たとえば、外来生物の利活用による環境保全、森林火災をなくす方法の研究、さらには音楽生成AIによる癒し効果の検証など、現代的かつ独自性の高いテーマが発表されました。
これらの研究は科学的な探究にとどまらず、「将来的に地域社会や産業とどう接続できるか」という観点から議論が行われたのが特徴です。支援団体の皆さまからは、「研究成果をどのように事業やサービスに応用できるかが次のステップ」との声も寄せられました。

ビジネスプラン系の取り組み
ビジネス視点からの提案も数多く見られました。
たとえば、医療保育園の実現を目指すプラン、高校生向けアルバイト紹介サービス、IoTを活用して生活の時間を増やす仕組み、さらには地域イベントによる旭川活性化など、多彩なテーマが並びました。
どのグループも「地域に必要とされるサービスとは何か」という問いを軸に、実現可能性や持続性を意識した発表を行っていました。

印象的な発表事例
支援団体のパートナーを特に惹きつけたのは、以下のような発表です。
- 「公共交通機関で位置情報技術を活用し、近世代の暮らしを豊かにする」
地域の移動課題に新技術を掛け合わせたアイデアで、行政や金融機関の関心を集めました。 - 「高校生をターゲットにしたアルバイトを紹介するエージェント会社」
若者視点での人材サービス提案は、実際の事業化にもつながる可能性があると評価されました。 - 「医療と子育ての関連と最適な支援」
子育て世代の課題に着目したテーマで、支援団体から「実効性あるモデルになる」との助言が寄せられました。
これらの発表に共通していたのは、「地域の課題を自分ごととして捉え、具体的な解決策を提案する姿勢」です。支援団体からは「実装に向けて誰と組むかが重要」とのコメントも多く、生徒たちの探究が将来的な協働へとつながる可能性を感じさせました。


高校生に質問を投げかける旭川産業創造プラザの上伊澤菜摘氏(左)と松尾英将氏(右)
支援団体からのフィードバック
発表会の大きな特色は、地域の行政・金融機関・支援団体の皆さまが直接生徒にフィードバックを届ける点にあります。短時間のやり取りながらも、多くの具体的な助言が交わされました。
長所として評価された点
講師として参加した支援パートナーが「着眼点のユニークさ」と「社会性や責任感の意識」を高く評価しました。特に、医療や子育て、公共交通など社会性の強いテーマに取り組んだグループについては、「高校生ならではの視点で問題をとらえている」との声が寄せられました。


高校生にフィードバックする旭川信用金庫の佐藤祐哉氏(左)と牛草博之氏(右)
改善点として指摘された内容
一方で、「実現可能性をどう担保するか」「誰と協働すれば実現に近づくか」といった課題が多くのグループに共通して指摘されました。特にビジネスプラン系の発表については、収益モデルや持続性の観点でさらなる検討が必要とされました。

自然科学系の研究に対しても、「科学的成果をどう社会や地域に役立てるか」という出口戦略を意識することの重要性が強調されました。

次のステップへの示唆
支援団体からは、「これまでの探究をベースに、最終発表では社会実装の視点を強く打ち出してほしい」との期待が寄せられました。また、「地域企業や行政とつながることで研究の幅が広がる」との助言も多く、生徒たちが今後どのように外部と連携を深めていくかが注目されます。
今回のフィードバックは単なる評価ではなく、「次のアクションをどう描くか」を後押しする貴重な学びの機会となりました。


高校生にフィードバックするじもじょき旭川の安岡理沙氏と高塚麻紀子氏
今後の予定と地域企業への呼びかけ
最終発表会までのスケジュール
今回の中間発表会を経て、生徒たちはさらに探究を深め、最終発表に向けた準備を進めていきます。
直近では、日本政策金融公庫主催の「ビジネスグランプリシート」の提出、その後は研究プランの再構築やプレ最終発表を経て、12月17日の最終発表会に臨む流れです。
この最終発表会では、中間発表で得たフィードバックをもとに、より具体性と実現可能性を高めたプランが披露される見込みです。生徒たちにとっては、探究活動の集大成となる重要なステージとなります。
地域企業への協力依頼
本校の探究活動の大きな目的は、地域課題を題材としながら「社会とつながる学び」を実現することにあります。今回の中間発表で示された多彩なアイデアは、地域企業や行政との連携によってこそ磨かれ、実際の社会実装に近づいていきます。
その具体的な参画の場として、私が運営する 「ツクルヒト」(https://tankyu-cocreation.jp/)をご紹介します。
ツクルヒトに「パートナー」としてご参加いただくことで、企業・自治体には以下のようなメリットがあります。
- 未来人材との早期接点
学校訪問やオンライン座談会を通じて若者と直接対話。自社認知度向上や採用コスト削減、地域定着率の向上につながります。 - CSR・地域貢献の可視化
生徒の探究成果をメディアに露出し、CSR活動やESG評価、ブランド好感度の向上を後押しします。 - 共創による新規事業創出
生徒・教員・行政と共にワークショップを行い、新サービスや地域課題ビジネスの着想を得る機会になります。 - 社員育成・エンゲージメント
社員がメンターとして関わることでリーダーシップやコミュニケーション力が育まれ、社員満足度の向上や離職率低下に寄与します。
旭川・道北を舞台に、次世代を担う若者の探究心と地域の知見を結びつける活動に、ぜひ ツクルヒトのパートナーとしてご参画ください。
まとめ
今回の中間発表会では、46のグループが自らの探究テーマを発表し、地域の行政・金融機関・支援団体から直接フィードバックを受ける貴重な機会となりました。
生徒たちは「地域課題を自分ごととして捉える姿勢」と「解決に向けた行動」を重ね合わせながら、最終発表会に向けて大きな一歩を踏み出しました。
旭川・道北の未来を形づくるのは、若い世代の挑戦と、それを支える大人たちの協力です。次回12月17日の最終発表会では、今回のフィードバックを受けたより実践的なプランが披露される予定です。地域の皆さまとともに、その成果を見届け、未来を共創していきたいと考えています。
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旭川・道北の未来を高校生と共につくるパートナーとして、ぜひ「ツクルヒト」へのご参加をご検討ください。


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