【企業・地域団体向け】旭川実業高校×企業が育む探究力

目次

面倒くさがらずにアイデアを出し合う高校生たち

「そのアイデア、いいじゃん!」「もっとこうすれば面白くなるかも!」

旭川実業高等学校の体育館に、そんな声が次々と響きました。2025年春、2年生約160名が挑んだのは、起業家教育の導入ワークショップ。日本政策金融公庫・北海道創業支援センターの鹿取大祐さんを講師に迎え、生徒たちは“ビジネスプランを生み出す力”の第一歩として、ブレインストーミングの技法を体験しました。また、今回は旭川市役所地域活動推進課から平島淳嗣さん、木下哲夫さん、工藤優さん、日本政策金融公庫旭川支店から門馬昌彦さん、滝澤沙奈枝さん、村上淳樹さん、旭川信用金庫から岸上佳広さん、牛草博之さん、佐藤祐哉さん、有限責任事業組合じもじょき旭川から長谷川愛実さん、安岡理沙さん、高塚麻紀子さん、一般財団法人旭川産業創造プラザから上伊澤菜摘さん、松尾英将さんがファシリテーターとして参加しました。

テーマは「学校生活をもっと楽しくする」。正解のない問いに、どう向き合うか。生徒たちは、最初こそ戸惑いながらも、やがて模造紙いっぱいに付箋を貼り、アイデアを出し合い、笑顔で語り合うようになりました。

「面倒くさがらずに意見を出し合う」「お互いをちゃかさない」——支援団体の職員の方も、生徒たちの姿に深く感動していました。そこには、“若者が自ら考え、動く”力の萌芽が確かに存在していたのです。

探究×地域×ビジネスで生まれる共創の余地

今回のブレインストーミング講座は、単なる発想トレーニングではありません。全国の高校生が参加する「高校生ビジネスプラン・グランプリ」への応募に向けた、起業家教育プログラムの導入として位置づけられています。生徒たちが出したアイデアは、今後の授業で「誰にとっての課題か」「どんな価値があるか」といった視点で磨かれ、実践的なビジネスプランへと育てられていきます。

このプロセスには、地域企業や団体が「共創パートナー」として関われる余地が豊富にあります。具体的には以下のような関わり方があります。

  • 企業のリアルな業務課題や顧客ニーズを課題設定のヒントとして提供
  • 社員が授業に参画して壁打ち相手になる
  • 発表会に審査員として参加

企業が関わることで、生徒たちの視点に「実在する相手」が加わります。それは思考のリアリティを高め、同時に企業側にとっても「若者の柔らかい発想」や「社会を見る目」に触れる貴重な学びとなります。

学校・企業・地域が、それぞれの役割を超えて交わる。この接点に、持続可能な地域づくりの新しいヒントがあると感じさせられました。

非認知能力と人的資本への長期的投資

企業が教育に関わる意義は、将来の“即戦力”を育てることだけではありません。今回の講座のように、生徒たちが主体的に考え、協働しながらアイデアを磨いていく過程には、「非認知能力」を育む大きな可能性があります。

非認知能力とは、以下のようなテストの点数では測れない“人としての力”です。

  • コミュニケーション力
  • 自己肯定感
  • 柔軟な思考
  • 他社との共感力

これはまさに、企業の人材育成でも注目されている資質です。

講座を見守っていたじもじょき旭川で活動されている方はこう語ります。「どのグループも笑顔で意見を出し合い、互いの考えを尊重しながら楽しそうに取り組む姿に、私のほうがたくさんの元気と学びをいただいたように感じております。」と。

「学生さんたちが面倒くさがらずにアイデアを出し合い、お互いをちゃかすことなく、尊重し合っている様子に本当に感動しました」と語るのは、当日ファシリテーターとして参加した旭川市役所職員のひとり。生徒たちの柔軟な思考と真摯な姿勢が、参加者の心を動かしました。

教育と企業が手を取り合い、未来の人材育成を地域全体で支える。これは単なるCSR活動にとどまらず、「人的資本」への長期的な投資と捉えることができます。生徒たちの中には、数年後、地域企業の現場で力を発揮する人材もいるでしょう。

今関わることで、その“芽”を育てる——そこにこそ、企業協賛の本質的な価値があるのではないでしょうか。

次の一歩:企業が“問いを育てる側”へ

講座を終えた生徒たちは、今後の授業でブレインストーミングによって生まれたアイデアをもとに、「誰の・どんな課題を・どう解決するか」を明確にし、実践的なビジネスプランへと構築していく段階へ進みます。ここからは、発散から収束へと向かうプロセス。その中で、“現実の制約”や“本当に価値ある解決策とは何か”に向き合う力が求められます。

このフェーズでこそ、企業の持つ経験や視点が大きな価値を持ちます。たとえば

  • 現場の課題や事例を共有し、教材として活用
  • 失敗事例を元に「なぜ実現しなかったか」を共有

それにより、生徒たちはリアルな材料をもとに施行を深めることができます。

ある地域団体の担当者はこう語っていました。「この取り組みは、将来の旭川を担う若者たちに、新しい視点と挑戦の場を与えてくれている」。

「実業高校さんの取り組みは、将来の旭川を担う若者に可能性を与える大変興味深い内容だと感じました」とコメントするのは、旭川市役所の職員のひとり。教育・企業・地域が交差するこの場に、持続可能な「共育」のヒントがあるといえます。

教育と企業が未来をともに耕す。その一歩を、今ここから踏み出すことができるのです。

[学校向け]
 起業家教育の導入や企業との連携にご関心のある先生方は、お気軽にご相談ください。

[スポンサー向け]
 地域の若者育成に貢献し、未来の人材と出会う——貴社のCSR・共創活動としてご検討ください。

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